創立65周年を迎えて

小野高速印測株式会社　小野 泰生

兵庫県グラフィックサーピス工業会の創立65周年を迎え、心からお祝いを申し上げますと共に、ご協力をいただいた関 係の方々に、厚くお礼申し上げます。
私たちの組合は、その母体である「兵庫県謄写印刷業組合」から数々の変遷を経て、現在に至りました。
戦前、戦後に謄写印刷を開業した仲間は、筆耕用の鉄筆と、ヤスリ数枚、木製の手刷り印副機だけが資本で、速い・安い、をキャッチフレーズにし、時にはコピー代わりの印刷をしてきました。それにお金がなくても、字が上手であれば始められた仕事でした。
芸術的な作品を除いては、どんなに上手に書いても、活字には到底叶いません。活版印刷に対して、大きなコンプレックスを抱く業界だったのです。
そのコンプレックスこそが、技術革新のパワーとなり、活版印刷とは別の道を選び、更なる高みを目指して今日を迎えております。この、ハングリー精神と、失敗を恐れぬパワーこそがジャグラの特徴であり、伝統といえるでしょう。平成7年1月の阪神淡路大震災で、神戸の同業社は未曽有の大被害を受けました。多くの仲間はそこから立ち上がり、現在は大活躍をされています。
当時、ジャグラ本部を通して全国から多大のご支援をいただき、物心両全で復興の助けとなったことを、忘れることはできません。二度にわたる、ジャグら文化展神戸大会の大成功など、先輩や組合員のパワーを結集した努力の賜物です。これからどのような変化が、この業界を待ち受けているのか、いや我々がどのような変化を起こしていくべきなのか、一抹 の不安と同時に、未来への期待も膨らみます。紙の印刷だけでなく、ネットの世界もコンテンツを必要としています。 我々がかつて身をもって体験してきたハングリー精神と、新しい発想で、勇気をもって試行錯誤を続けていく限り、今は 厳しくても、必ず新しい道を切り拓いていくことができる、と確信しています。
歴史ある「兵庫県グラフィックサービス工業会」も大きく世代が変わり、新しい活力ある息吹を感じています。今後、一 層の発展を期待しております。